GO ASIA TRAILの堤です。
トレイルランナーがよく使うGPSウォッチといえば、SUUNTOだったり、Garmin、EPSON、Polarといった欧米や日本メーカーのウォッチを使われている方が多いと思う。私も、EPSONやSUUNTOのGPSウォッチを長年愛用していました。ただ、ここ1年ぐらいは、中国のスマートウォッチメーカーであるHuami(华米科技)のAmazfitというブランドのGPSウォッチを愛用しています。価格は、中国のECサイトで約18,000〜20,000円程度。
「おいおい、中国メーカーのGPSウォッチなんて大丈夫なのか??」と思われるかもしれないが・・・(笑)
しかし、ここ1〜2年の間に、中国企業の技術は飛躍的に進歩していると感じています。特に、スマートフォンに代表されるようなデジタルガジェットに関しては、個人的には日本企業を超越したのではないかと思います。
その証拠に、スマートフォンにおいては、世界市場では日本メーカーは「その他/Others」扱いになり、中国勢でいえばHuawei(華為)やXiaomi(小米)といった企業がシェアを占めており、Huaweiに関してはAppleを抜いて世界2位に躍り出ており、2019年には韓国サムスンを抜いて世界1位のスマートフォンメーカーになると予測すらあるぐらい。
Huamiは、中国の大手スマートフォン/デジタル家電メーカーである小米より出資を受けているスマートウォッチ専業メーカーで、中国国内外で展開しているグローバル企業。
1年近くAmazfitシリーズ(PaceとStratos)をトレーニングやレースで使い続けた結果、「十分に使える」と判断したため、この記事を書くことにした。Amazfit Stratosに関してレビューされているブロガーは沢山いますが、私はトレイルランニングを100kmとか走るトレイルランナーである。ハードな環境でもテストしているので、貴重なレビューに記事なるかと・・・(自画自賛)
今回は、AmazfitシリーズのハイエンドモデルであるStratosをベースに紹介していきたいと思います。
Huami Amazfit Stratos レビュー
最長35時間駆動可能なバッテリーと低消費電力設計
まずスペックを・・・
- 重量:60g
- バッテリー容量:290mAh
- 駆動時間:最長5日(平常時)、最長35時間(運動時)
- 対応スポーツ:ランニング、トレイルランニング、水泳、トライアスロン、バイク、ウォーキングなど
- センサー:GPS、光学式心拍計、3軸加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧センサー、照度センサー
- 防水:5ATM
一番の注目なのがバッテリー駆動時間。光学式心拍計+GPS計測で最長35時間も使えるスペック。
「ほんまにそれだけ使えるの?」という話になると思うが、先日のTransJejuで約18時間ぐらい使って、バッテリーが46%残っていました。単純計算すると33時間ぐらいは持つ計算になるので、100kmぐらいのトレイルレースであれば、十分に使えるスペックではないかと思う。この長時間バッテリー駆動を実現しているのが、中にソニー製のFD-SOIという超低消費電力のGPSチップを搭載しているからだという。
個人的には、光学式心拍計+GPSを駆動させながら、30時間以上も持つのはウルトラトレイルを走る上では大きな武器かなと感じています。心拍数の管理はレース中は重要で、私は無酸素運動域(ゾーン4)未満で走るように心がけています。
本機の心拍数の精度は、ちゃんと検証はしていないものの、概ね自分の身体が感じる心拍数に近い値がでているのではないかと感じています。しかしながら、胸ベルト式に比べると、精度は落ちることはご了承ください。ただ、個人的には胸ベルト式は、長時間付けると苦しくなるので、レースだとバランスを考えて、光学式心拍計をチョイスします。光学式心拍計の特性などについては、SuuntoのHPに詳しく記載されているので参考にして頂きたい。
また、Amazfit StratosにはVO2Maxの計測機能があります。本格的な装置で計測するのとでは精度は異なると思うが、参考になるのではないかと思います。VO2Maxが計測できる時計は、僕にとっては今回初めてなので正直うれしい。日々のトレーニングの積み重ねが、フィードバックされるのは、モチベーションがあがるかと。
トレーニング中のウォッチフェイス
トレーニング中のウォッチフェイスはこんな感じ。画面が大きいので、視認性は高いかと。画面は液晶ですが、反射型液晶パネルを採用しているため、炎天下でも問題なく見えます。
液晶はタッチパネルなので、画面をタッチして切り替え操作ができます。また、時計本体右側にある物理ボタンを押すことでも操作できるため、グローブを装着時でも問題なし。
あと、走ったルートを時計本体の画面でチェックできます。また、GPXデータをロードする機能もあり、GPXルートから外れているかなども時計上から確認可能。例えば、TransLantauなどの海外レースでは、GPXデータを公開しているため、レース前に準備しておくことで、コースロストしたかなどを確認することもできる。
※TransJeju 2018でこの機能をチェックする予定だったが、スタート前に設定するのを忘れたので、テストできておりません。。。。もしかすると、これをちゃんとやっていれば、先日のコースロストも防げたかも(笑
Stravaとの連携

Amazfit Stratosは、アスリート系SNSであるStravaとのデータ連携もサポート。Stravaは、ランニングやトライアスロンなどの日頃のトレーニングやレースのデータをストアしておく場所として、デファクトスタンダードな位置づけ。みなさんも利用されている方も多いのではないでしょうか。私も、数年前からずっと使っており、最終的なトレーニングデータの保存先として、アスリート仲間との交流の場として活用しています。
Stravaとの連携は、Amazfitのスマートフォンアプリ「Amazfit Watch」(iOS、Android)を通じてできます。一旦、Amazfit Stratos本体とアプリ間でデータを同期してから、アプリ側からStravaに同期されます。これで、他のメーカーのGPSウォッチからも買い替えも安心ですね。Amazfit Watchアプリだけでも、日々のトレーニングを管理することもできるが、やはり使いやすさやソーシャル性を考えるとStravaのほうがよいかと。
日常で使える機能
アスリートが喜びそうな機能だけでなく、日常生活やお仕事でも使える機能もあります。
- 天気予報
- 音楽再生(中に4GBのストレージは入っており、時計単体で音楽再生が可能(ヘッドホンはBluatooth))
- スマートフォンからのプッシュ通知(電話、LINE、Facebookメッセンジャー、Slackなどなど。通知できるものは何でも行ける)
- 睡眠管理(AppleWatchやFitbitなどのフィットネストラッカーによくある機能)
- デジタルコンパス
- タイマー
- アラーム(目覚まし時計)
個人的には、スマートフォンからのプッシュ通知機能がお気に入り。着信、LINEやSlackなどのメッセージ受信があると、Amazfitがバイブでお知らせしてくれる機能。対応アプリに制限はなく、スマートフォン上で通知されるものを、時計本体側にも通知されるようになる仕組み。日本語での通知が対応しており、LINEを受信したときも、ちゃんと日本語で表示されます。あとは、仕事上で使うSlackで、サーバ障害したときの通知も・・・(笑
Amazfit Stratosの惜しいところ
もちろん、完璧な製品はありません。ここが個人的に不満に思うこと。
日本語非対応
まず、時計本体UIの言語は、日本語に対応していません。サポートしている言語は、以下です。
- 英語
- 中国語(簡体字、繁体字(香港)、繁体字(台湾))
- フランス語
- スペイン語
- イタリア語
- ロシア語
Amazfitは、日本で販売しているわけではないので仕方がないかもしれない。ただ、LINEやメッセンジャーからの通知は日本語で表示される。そのうち、日本で公式的に販売となると、日本語もサポートされるのではと思っております。ファームウェアは定期的に更新されていますので、それを通して対応してくれれば。。。
心拍ゾーンの編集非対応

あとは、心拍ゾーンの編集ができたらいいのに。。。Stravaが算出している値と、Amazfitが算出している値と乖離があるので、ここを修正できたらもっと使いやすくなるなと感じています。個人的には、たぶんStravaのほうが正確なような気がするので、ここに合わせて設定できれば、レース中もStravaの数値で心拍管理ができます。
まとめ
実売価格2万円前後という低価格なのに、よくできたGPSウォッチだと私は思う。Suunto、Garmin、EPSON、Polarといった大手メーカーとも十分に渡り合えるスペック。数年前なら「中国メーカー=粗悪品、模倣品」というイメージがあったが、今はもう中国メーカーのデジタルガジェットは十分に使える。アフターサポートに関しては、日本に拠点がないので、中国本社のサポートと英語もしくは中国語になってしまうのが欠点だが、それを考慮しても、純粋に製品としては完成度は高い。
高コスパとロングバッテリーという機能を組み合わせれば、例えばUTMB、UTMFといった100マイルレースでも使えるかと。例えば、2つ購入して、片方はドロップバッグに置いておけば、100マイルレースでも格安に対応可能。
Amazfit Stratosは、中国のECサイトのGearBestで取り扱っています。日本円で約19,300円(送料込み/追跡Air Mail)。なお、11/11は中国では光棍節(独身の日)で、毎年ECサイトが激安セールする日なので、それを狙って買うのもありかもしれません。※昨年、独身の日に別の商品を購入したことがあるのだが、注文が殺到するためか、発送に1ヶ月近くかかったので注意。
最近は、日本のAmazonでも購入できるようになりました。ちょっと高いが、すぐに届くなど、国際配送のトラブルも皆無なので、こちらのほうがいいかもしれません。
というわけで、Amazfit Stratosの紹介を終わります。また、面白いプロダクトがあれば紹介します。アジアの掘り出し物もおまかせください(笑